ワークショップ

2019年7月に日本で2つのワークショップ(商業的側面に関するものと保安警備についてのもの)を開催し、さらに9月には英国でフォローアップワークショップも行います。学術界、産業界、芸術界、政策またはNGOなどの専門分野をお持ちで参加を希望される方は、Peter Mantello 教授(mantello@apu.ac.jp)、もしくはAndrew McStay 教授(mcstay@bangor.ac.uk)までメールにてお問合せください。ワークショップ詳細のご案内以外にも、日本在住の方であれば、移動手段や宿泊手配のお手伝いができるかもしれませんので、併せてご連絡差し上げます。

日本

感情認識AI(エモーションAI):商業界および私たちの生活への影響を探る(ワークショップ1)

「感情認識AI」により、行動・感情コンピューティングと人の感情を感知、学習、それと相互し合うAI手法を使った技術に触れます。この技術の応用範囲は、人の表情に反応する公共広告物から家庭内アシスタントといった社会的利活用、一般ではあまり見られない感情に敏感なロボットまで極めてさまざまです。こういった技術は、精神生理学的な情動反応を理解する技術を用い、斬新な方法で科学技術と人が相互に作用し合えるようにしたものです。

このワークショップでは、このような科学技術が持つ社会的メリットとデメリットに着目し、その可能性を探ります。一言でいうと、科学技術ついて、日本と英国での商業的応用について、科学技術に対して国民はどのように感じているのか、またそのように感じているのはなぜか、そして科学技術を手引きする法令および国が定める指針について、どうすればこのような科学技術のデメリットを減らし最大限に生かすことができるのかについて学びます。

日時:2019年7月9日(火)10時~16時(昼食付)
場所:立命館大学東京キャンパスサピアタワー8階

保安警備:感情認識AIを使った予測および感覚(ワークショップ2)

人の感情を判断し、それに反応することができる人工知能によって拡張された保安技術の急速な発達は、ますます国の安全保障、国境警備、地域の法執行機関の中心になりつつあります。世界中で、タレス、モトローラといった企業が生体認証技術を世界各国の警察機関向けに販売し、警察官自身の感情や精神状態を管理しています。日本では、日立などの企業が人の感情をもっとよく理解するためや、大規模な公共施設での保安機能を高めるために人工知能システムの開発を進めています。

このワークショップでは、地域の法執行機関、サイバーセキュリティ、紛争地帯、国境警備などにおける感情認識AIの活用にまつわる重要な問題と課題について吟味します。ワークショップで触れるトピックには、予測警備、国境での音声・顔認識技術、自律軍事システム、ソーシャルメディアでユーザーの感情を操作・喚起するスマートボットの役割、そしてスマートボットを利用してのコンピューターによる政治宣伝などがあります。このワークショップでは、日本と英国ならではの要因ついての理解を深め、国民の反応について論じ、日本と英国双方の背景において倫理とプライバシーについての問題を取り上げることを目標としています。

日時:2019年7月12日(金)10時~16時(昼食付)
場所:立命館大学東京キャンパスサピアタワー8階

英国

感情認識AI(エモーションAI):異文化の考察(ワークショップ1)

最後のワークショップでは、本プロジェクトの見識を英国の出資者に報告し、さらなる知識交換能力の育成を視野に入れて、日本の代表者向けに英国型の見識を作成します。大学教授、政策立案者、科学技術者、産業界、英国のスタートアップコミュニティが以下を行います。

  1. 感情認識AIとは何か(感情認識+機械学習・AI)について議論する
  2. (この分野に取り組んでいる企業による)実用事例について考える
  3. 社会を良くする、悪くする可能性について吟味する
  4. (事前に配布した報告書を基に)異文化的側面について考える
  5. 科学技術者、倫理学者、法律、政策、産業界、NGOといった異なる分野の代表が集うバランスの取れたマイクロワークショップを活用

日時:2019年9月9日(月)(時間は確認中、昼食付)
場所:D英国ロンドンのデジタルカタパルトセンター